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【10.03.10】討論記録=核持ち込み密約だ 密約を認め廃棄を

笠井氏が衆院外務委で政府報告書を批判

 
 日本共産党の笠井亮議員は10日、衆院外務委員会で政府が前日に発表した日米密約に関する報告書について、「『討論記録』の存在を認めながら、これが核持ち込みの密約だったことを否定している。これは全く成り立たない議論だ」と批判し、核持ち込みの密約であると認め、廃棄し、「非核三原則」を厳格に実施するよう迫りました。
笠井氏は、「討論記録」の2項AとCで米艦船・航空機の日本への立ち入り(エントリー)に関し「現行の手続きに影響を与えない」として、それまでの慣行の自由勝手な核持ち込みを認めていることを指摘し、「それ自体が核持ち込みの密約そのものだ」と追及しました。これに対し、岡田克也外相は「討論記録」について「日本側は、一時的立ち寄り・寄港に関するものと思っていなかった」との弁明に終始しました。
 笠井氏は「そういった解釈は無理がある」と批判。1963年の大平・ライシャワー会談で、「討論記録」の解釈についても米側が日本政府側と「完全な相互理解に達した」と報告していることをあげ、「米側がうその報告をしたという認識か」とただしました。
 岡田外相は「間違っていたとかうそだったというつもりはない。微妙なニュアンスの違いがある」などと苦しい答弁。笠井氏は「ニュアンスの違いではない」と述べ、「『討論記録』は日米間の公式の合意文書であることは疑問の余地がない」「『討論記録』の存在を認めながら、核持ち込み密約が存在しないという議論は歴史のねじ曲げであり、被爆国・日本の外交に深刻な汚点を残す」と力説しました。
 笠井氏は、「密約がなかったという立場に立つから、結局、米側に何の働きかけもする立場がなくなる」と述べ、「今後、米国の核持ち込みをさせない保証はどこにあるのか」と迫りました。
 岡田外相は水上艦への核配備をやめた米国の91年政策を持ち出し、「持ち込みは起こりえない」「(『討論記録』を)廃棄するつもりはない」と答弁。笠井氏が91年以降も米軍は攻撃型原潜に核巡航ミサイルを積載する態勢を維持していることなどを指摘すると、「具体的なことは言えないが、確信している」と根拠のない答弁に終始しました。
 笠井氏は「国会における真相の究明と徹底審議が必要」として、参考人質疑に加えて集中審議の開催を要求しました。(しんぶん赤旗/2010年3月11日より)
◆審議録(PDF/bt_20100430111833.pdf) 

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