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【11.02.20】NHK「日曜討論」に出席―予算は国民生活、内需に

(2011年2月21日「しんぶん赤旗」より)

 日本共産党の笠井亮政策委員長代理は20日、NHK番組「日曜討論」に出席し、2011年度予算案や予算関連法案をめぐり各党の政策責任者と議論しました。
 民主党議員16人が別会派をつくって予算案に反対する動きを見せている事態について笠井氏は、「国民の閉そく感、政権ゆきづまりの端的なあらわれだ。そういうなかで、ともかくこの予算を通してということは通用しない」と指摘しました。
 その上で予算案について、「法人税の減税や証券優遇税制などの大企業大資産家の減税をやる一方で、社会保障や暮らしの予算は細るばかりだ。(しかも)米軍には思いやり予算を続ける」と批判。日本共産党が予算の組み替え要求案を発表したことを紹介し、「大企業やアメリカ優先のバラマキ・浪費をやめたら3兆円ある。そのお金を使って国民生活、内需に手厚い対策がとれる」と強調しました。
 民主党の玄葉光一郎政調会長が大企業などへの法人税引き下げについて「最大のデフレ対策」と述べたのに対して笠井氏は、「内部留保244兆円と、もともと余ったところに1・5兆円を積み増したところで、まったくムダ金になりかねない」と指摘。「それだけのお金があれば、国債発行額を減らし、高すぎる国民健康保険料の引き下げや後期高齢者医療制度の廃止もできる」と述べました。
 子ども手当法案について笠井氏は、「現金給付は必要。しかし、手当だけ積み増すのはおかしい。総合的な子育て支援にまわすべきだ」と表明。「今回、新たに手当を積み増そうとしている約2000億円の半分があれば保育所の増設で待機児童の解消、就学援助にも使える。まずそちらだ」と主張しました。
 また、「先に手当を配っておいて後で消費税増税で同じ人からもっと税金をとれば、何が子育て支援か。子育ていじめになる」と批判しました。

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NHK「日曜討論」 笠井政策委員長代理の発言(詳報)

 冒頭、民主党の小沢一郎元代表に近い衆院議員16人が民主党の会派離脱届を提出したことが話題となり、民主党の玄葉光一郎政調会長・国家戦略担当相は「非常に残念な行動」と釈明。そのうえで予算案と関連法案の成立を改めて求めました。これに対し笠井氏は次のように述べました。

予算組み替えに踏み切るべきだ
 笠井 今の事態は、国民のなかでの閉塞(へいそく)感、政権の行き詰まりの端的な表れだと思いますね。そのなかで「ともかくこの予算を通して」ということは通用しないと思います。
 わが党は先週木曜日(17日)に(予算)組み替えの提案を出し、予算委員会理事会にも出しました。今度の予算案を見ると「財政が大変」とか「社会保障の財源が必要」といって(菅政権が)実際に真っ先にやったのは1兆5千億円の法人税減税、証券優遇税制の2年延長。大企業・大資産家の減税をやる一方で、社会保障や暮らしの予算は細るばかりです。それから米軍には「思いやり予算」を5年間続ける。こういう財界・大企業、アメリカ優先の浪費をやめたら、3兆円のお金を使って国民生活、内需、家計に手厚い対策をとることができるから、そういう組み替えに踏み切るべきです。
 続いて、予算案に関係する民主党のマニフェスト(政権公約)が議論となり、玄葉氏は、子ども手当について「恒久財源はあるが、恒久法ではない」などと語りました。これに対し笠井氏は次のように発言しました。

総合的な子育て支援の予算こそ
 笠井 二つ問題がある。子育てに十分な財政支援は当然で、現金給付は必要です。しかし、保育所増設などの対策をせずに手当だけ積み増していくことではダメだ。積み増しをするなら、保育所建設などの総合的な子育て支援の予算に回すべきだ。それからもう一つは、先に手当を配っておいて、後で消費税増税などというかたちも含めて、同じ人からもっと税金をとって子育て支援といっても、何が子育て支援か。子育ていじめだ。これは取るべきじゃないと思います。今回、新たに手当を積み増そうとしている2千億円ぐらいの半分あれば、保育所増設、待機児童の解消に使うお金、あるいは就学援助にも使える。まず、そちらの方に回すべきだ。
 さらに、予算関連法案の法人税率5%引き下げの所得税法等改定案などが議論となり、玄葉氏は、「仮に4月から児童手当に戻ったときに、年少扶養控除の廃止をしているので、全世代にわたって実質手取り減になる」などと、野党が予算関連法案に賛成しないと大変だと、与党の責任を棚上げにする発言。笠井氏は次のように批判しました。

法人税の減税は金余りを増やす
 笠井 いま玄葉さんが言われた子ども手当、年少扶養控除の廃止の話ですが、それは政府がおこなった廃止によって実質負担増になるような世帯が出ない税制上の措置をとることをきちっとやるべきだということが一点あるんですね。
 それから、関連法案の法人税率の引き下げです。菅総理は雇用や投資につながると言うが、日本経団連にいったら、にべもなく一蹴されたという話ですね。内部留保244兆円もある金余りの大企業に(法人税減税で)1兆5千億円を積み増したところで、金余りがますます増えるだけです。ほんとうに国際競争力が強くなるかというと、もともと余った金のうえに足すわけですから、まったくムダ金になりかねない。それをやめれば、国債発行額も減らせる。そういうお金があれば、(民主党は)「国民の生活が第一」と言うわけだから、暮らし応援で、高すぎる国民健康保険料を引き下げ、後期高齢者医療制度廃止とかができる。金がないのではなくて、やり方が間違っている。
 一方、公明党の石井啓一政調会長は「年度末に国民の生活が混乱するのは避けねばならない。一定の配慮を考えている」と与党・民主党に一部同調する姿勢も見せました。笠井氏は予算組み替えの方向性について次のように指摘しました。

中小企業や商店 元気にする転換
 笠井 やはり、問題だらけの予算をそのままにして、「通らなかったら大変になる」ということは通用しないと私は思います。わが党は組み替え提案を出したと(先ほど)言いましたが、国民の暮らし応援に切り替える、そういう組み替えをきちんとやらなきゃダメだと思います。関連法案についても大企業減税やバラマキはダメなわけで、税金をとるべきところからとるということに戻す。きちんとそこに立ち返る必要がある。
 それから中小企業の関連予算についても、わずか58億円増の1969億円にすぎないわけです。一方で米軍への「思いやり予算」に対しては、米軍再編含めて3200億円で、1・6倍にもなるわけですから、どっちがほんとうに社会の主役かということを真剣に考えて、中小企業や商店街も元気にならなかったら、日本はよくなりませんから、そういう転換が必要だと思います。
 民主党の玄葉氏は「経団連は経団連なりに10年間の投資計画をきちんと出してきた」などと日本経団連を擁護。笠井氏は「大企業が金余りのときに効果はでない」と批判しました。
 最後にGDP(国内総生産)で日本が世界3位になったことが話題となり、笠井氏は次のように語りました。

所得増やす改革 成長のレールに
 笠井 この20年間の経済停滞の一番の要因は、「こんな給料では暮らしていけない」というぐらい賃金が下がったことにあると思うんですね。ピーク時の1997年から年収で61万円、全体で31兆円も減ったわけですから、国民の所得が下がって、内需が縮小するというところで、これで成長するわけがない。悪循環を好循環に転換する、賃上げをきちんとやるということが大事だし、政治がそのために仕事をする。あわせて、社会保障拡充ということで、暮らしを支えて所得を増やす改革をやって、日本の経済を成長のレールに乗せる、健全なレールに乗せることが肝心だと思います。

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