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≪駆けある記≫75年目の広島で思う(2020年8月8日掲載)

8月6日、75年目の広島の地。被爆者と市民の長いたたかいが世界に新しい動きをつくりだしていると、深い感慨にとらわれました。

アメリカの若者7割が「核兵器は必要ない」と答え、原爆投下肯定の世論が逆転のニュース。コロナ禍で核兵器の存在に疑問が広がり、被爆者の命がけの訴えが届いていました。

語るもつらい地獄の体験。広島で被爆した私の母も、子どもたちには毎夏、あの日を語り続けても妹の結婚まで外では決して語らず、被爆50年まで被爆者手帳も申請しませんでした。心の苦悩と葛藤を乗り越えた被爆者の勇気は今も続いています。

「黒い雨」を浴びながら国の救済から排除されてきた人々が被爆者と認められた画期的な判決。最大級の被爆建物、旧陸軍被服支廠(ししょう)の取り壊し計画をくいとめ、被爆と軍都広島を後世に残そうという運動の高まり。

あと7カ国で核兵器禁止条約は発効します。「被爆者の思いを誠実に受け止めて締約国に」と政府に求めた広島平和宣言は国民みんなの思いです。それに背を向け、条約に一言も触れなかった安倍首相、こんな政権は代えるしかないのです。

【「しんぶん赤旗」2020年8月8日付】

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