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【07.12.06】児童扶養手当削減は「撤回」を、生活保護母子加算廃止やめよ―足立のお母さんらと厚労省に要望 

田村智子さん、大島芳江足立区議らとともに

厚労省要請と署名提出行動
 児童扶養手当と生活保護の母子加算は母子家庭にとっては大切な2本の命綱。この切り捨てはやめよと、足立区の「母子福祉の明日を考える会」のお母さんや支援者、新日本婦人の会足立支部の代表とともに厚労省に要請しました。田村智子参院東京選挙区予定候補、大島芳江区議、党地区委員会の代表も同席しました。足立のお母さんたちと笠井議員はさる11月18日にこの問題で懇談。要請はこれをふまえたものです。
 児童扶養手当は2002年の法改悪で来年4月から最大半額の削減が決められ、準備がすすめられてきました。しかし国民のつよい批判の中で、与党は削減を「凍結」することで合意し、厚労省はいまそのための作業をすすめています。
参加者は「凍結」でなく、撤回すべきと要望。与党合意で「就労意欲がみられない者」は支給が半減されるとされていることについて、どのように判断するかただしました。厚労省側は具体的な措置について年末の26日に地方自治体の担当係長会議を開き説明することを考えている、政令で定める内容については事前にパブリックコメントで意見を聞くようにしたいと回答。就労意欲についてはハローワークや自立支援センターなどでの証明書を添付することなどを検討していると説明しました。
 参加者は就労意欲の判断が意図的な対応にならないようにさまざまな角度から質問。「内職の人はどうするのか」、「病気で働けない人に診断書をと言っても負担が重い。証明書など軽費で可能な措置を」などとただし、求めました。厚労省側は「いろいろなケース、問題についておしえてほしい」とのべ、それらについて検討していくことを表明、病気の人の証明書についても「負担をかけたいと思っているわけではないので考えたい」と答えました。
 生活保護についても参加者は母子加算の削減・廃止はやめるよう求めるとともに、厚労省が「検討会」を開き、その報告書をふまえ年末の予算編成に向け検討している生活保護基準の引き下げについても行わないようつよく求めました。
要請に先立ち、「考える会」のお母さんたちは、この2週間で緊急に集めた国会請願署名663人分を笠井議員に手渡し、国会での奮闘を要望。笠井議員はご一緒に頑張りましょうと激励しました。

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「会」が厚労相あてに提出した要望書は次の通り。
厚生労働大臣 舛添 要一殿

母子家庭親子のささえである児童扶養手当の削減・生活保護「母子加算」廃止の中止・撤回を求める

              要望書

私たちは、母子家庭親子のささえである児童扶養手当削減や生活保護「母子加算」廃止などの問題についていっしよに考え、その中止を求めていこうと集まり、運動をすすめている足立区に住む母子家庭の親とその家族でつくる「母子福祉の明日を考える会」です。
今、母子家庭世帯の母親の8割以上が仕事に就いていますが、半数は、パートなど非正規雇用で一般の世帯の4割にも満たない収入です。収入増のために長時間労働や掛け持ちの仕事(ダブルワーク)もしながら、「せめて、子どもが大きくなるまでは…」と毎日、毎日、不安をかかえながら、必死に働き、生活をしています。そのささえとなっているのが児童扶養手当です。
ところが、国は、この間、この児童扶養手当の改悪を続けてきたうえに、さらに08年(平成20年)度から最大半分まで削減するとしています。
政府は「自立を」「福祉から雇用へ」と言いますが、どの会社も「母子家庭」と言えば正規では雇ってはくれず、資格をとろうと勉強したくても、今の生活に精一杯でそのための費用も時間もつくれない現状です。自立支援策、就労支援策が効果があがらず、社会の環境も整っていない中で、児童扶養手当だけを削減されれば、母子家庭の生活にとって大きな打撃となります。
また、さまざまな事情から生活保護を受けていて、育ち盛りの子どもがいる母子家庭世帯では、「母子加算」があってこそ初めて最低限の生活がかろうじて保障されます。政府は、この「母子加算」についても削減し09年(平成21年)度には廃止しようとしています。
母子家庭世帯の親子にとってささえであり、「命綱」ともいえる児童扶養手当や生活保護の「母子加算」をこれ以上削減したり、廃止することは、今でも苦しい中でがんばっている母子家庭の生活を破壊し、母子の生きる望みや勇気さえも奪いとってしまうことになりかねません。
また、母子家庭の親の就労支援事業として各種のメニューがあるものの、例えば、高等技能訓練促進事業(2年間以上修業する場合、修業期間の最後の3分の1だけ10万3千円支給)は、児童扶養手当を受けられる収入では、とてもそれまでの3分の2の修業期間を賄える収入も貯えもないため利用は難しく、足立区においても平成18年度の申請件数はわずか3名です。これは一例で、他にも、母子家庭の親が利用したくても利用できない事業やメニューもあり、母子家庭の母親の実態に合った、効果的なものに改善を要すると考えます。
母子家庭の親子が、少なくとも最低限の生活ができるように以下のことを強く要望します。

1.児童扶養手当の減額をしないで下さい。与党において、来年4月からの減額実施を「凍結」することで合意したとされていますが、「凍結」にとどめず、全面的に撤回して下さい。

2.生活保護の「母子加算」の削減・廃止をしないで下さい。

3.母子家庭の母に対する就労支援事業について、利用しづらいものがあり、実態に即したものに改善を求めます。

      母子福祉の明日を考える会

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