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【第190通常国会】九州地方地震/被災者に寄り添い一刻も早く(16/04/18TPP特)

地震対応、笠井・畠山氏が政府に要求

 18日の衆院TPP特別委員会で、日本共産党の笠井亮、畠山和也両議員は、政府に対し、熊本・大分での地震で厳しい避難生活を強いられている被災者一人ひとりに寄り添う支援を行うよう求めました。

広域の対策とり食料・物資届けきる必要

物資
 笠井氏は、被災各地の現状にふれながら「避難所での最低限の生活を維持するために、水、食料、電源の確保が緊急に求められている」と強調しました。
 安倍晋三首相が17日、「食料や水の支援も倉庫に届くだけでは役に立たない。被災者一人ひとりの手元に届かなければまったく意味はない」と述べたにもかかわらず、届けられた物資が役所などで滞っている所が多数あります。
 笠井氏は、物資が九州各地から直接被災地に届くよう広域の対策をとるとともに、指定避難所だけでなく、自宅庭や車中泊での避難生活を余儀なくされている人も含めて「首相の言葉通り一人ひとりに届けきる必要がある」と強調。安倍首相は「個々の避難所にあたりながら今日中に届くように全力を尽くしたい。当初孤立していた(熊本県の)南阿蘇村にも届くようにしたい」と述べました。
 笠井氏は、南阿蘇村で「避難所の電源がなくなりテレビの情報も得られない」という訴えがあると指摘。電源車配置と簡易トイレ確保も緊急に行うべきだと求めました。

住宅
 住宅の問題はどうか。同県西原村では約2500世帯の6割にも及ぶ住宅が全半壊の被害を受けています。
 笠井氏は、被災宅地の危険度判定を早急にやりきる体制をとることが二次災害の防止と被災者の生活のために必要だと強調。仮設住宅のあり方については「プレハブ住宅を一律に押し付けるのではなく、被災前に住んでいた所に帰れることを展望して進めることが必要だ」と迫りました。
 安倍首相は「一人ひとりの気持ちに寄り添いながら対応していきたい」と述べました。

医療
 畠山氏は、被災者への医療体制を緊急に確保することが必要だと強調。保険証が手元にないまま避難生活を強いられている被災者が少なからずいると指摘し、保険証がなくても受診できる事実を、被災者や関係自治体にわかりやすく通知するよう求めました。
 塩崎恭久厚労相は「保険証がなくても保険証を使っての医療と同じように(受診)できる」と答え、周知徹底すると述べました。
 畠山氏は、「自治体が判断に躊躇しないように、財政を含めて国が後で対応するから救命・救援を最優先するよう通知することが重要だ」と強調。テレビやラジオと合わせ、避難所などに情報を張り出し、広報車などで周知徹底することを提案しました。

農業被害

 畠山氏は、熊本県は生乳生産量で全国3位であるのに、地震による牛舎の倒壊で死んだ牛や、負傷して廃用せざるを得ない牛がいると指摘。牛乳工場の被災や交通網の遮断で出荷できない状況もあるとして「経営再開資金の具体化など、急いで検討して農家を励ますべきだ」と求めました。
 森山裕農水相は「被災農家の経営再建にむけて必要な対応を進めていく」と答弁するにとどまりました。
 畠山氏は「政府としての決意を示すべきだ」と強調。BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫が発生した際も再建まで長い時間がかかったと指摘し、「農家の苦労を受け止めて対策をとるべきだ」と求めました。

川内原発稼働継続の是非、真剣に検討すべきだ
 鹿児島にある川内原発が稼働を続けていることに多くの不安の声が寄せられています。
 笠井氏は地震が今後どう広がるかは予測ができず、新幹線や自動車道が不通のもと万一原発事故が起きた場合、避難に重大な支障が生まれることは明らかだと指摘。不測の事態に備えて停止を求めるとともに、「少なくとも稼働継続ありきではなく継続の是非について専門家の英知も結集して真剣な検討を行い、住民の不安に応えるべきだ」と主張しました。
 丸川珠代環境相は「川内原発の避難については現時点で避難経路の寸断等はない。原子力規制委員会でも各原発は今のところ安全上の問題がないと判断された」と述べました。
 笠井氏は、規制委員会の新基準には避難計画が入っていないことや、地元・薩摩川内市の市長自身が原発事故時の避難には新幹線を利用したいと言っていることを述べ、「まともな検討もせず、ただただ継続するのは許されない」と述べました。

オスプレイでの救援は二次災害の危険ないか
 畠山氏は、被災者への物資輸送について安倍首相が17日朝には「ただちに米軍の支援が必要であるという状況ではない」と述べたのに、同日昼に実施したい旨を表明したことをただしました。
 その上で畠山氏は救命・救援に必要な対策は取るべきだと述べつつ、懸念するのは中谷元・防衛相がオスプレイの活用に言及したことだと強調。2014年に和歌山県で実施された防災訓練で、オスプレイの離陸後に排気熱で芝が焼け、消火活動に追われた事実などをあげ、「救援活動に有効に働くのか。二次災害の危険性はないのか」とただしました。
 安倍首相は「その点を取って、オスプレイが災害救助に向かないとは考えない。高い能力を生かした支援を期待できる」と答弁。畠山氏は「重要なのは被災者・被災地の支援を最優先に、被害をこれ以上拡大しないことだ」と強調しました。
【「しんぶん赤旗」2016年4月19日付】

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