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【11.07.06】玄海原発説明会の「やらせメール」を追及

「けしからん、しかるべき措置とる」=菅首相・経産大臣

 
 7月6日の衆院予算委員会で、日本共産党の笠井亮議員は、九電玄海原発の運転再開に向けて経済産業省が6月26日に開いた佐賀県民への「説明番組」に対し、九州電力の関係会社の社員らに運転再開支持の“やらせ”メールを投稿するよう組織していた問題を追及しました。
笠井氏は、関連会社がだしている各位宛の「要請文書」を示して、「説明会の正当性が問われる。意図的に流れと結論をゆがめる妨害行為、世論誘導工作ではないか。政府はこれを黙っているのか」と批判しました。菅直人首相は「大変けしからんことだ」と答弁。海江田万里経済産業相も「やっているとしたらけしからん話だ。しかるべき措置を取る」と答えました。

九電社長が「やらせメール」組織を認め謝罪

 九州電力の真部利応社長は6日夜、記者会見し、九電玄海原発の運転再開に向けて経済産業省が6月26日に開いた佐賀県民への「説明番組」に対し、関係会社の社員らに運転再開支持の“やらせ”メールを投稿するよう組織していたことを認め、謝罪しました。
 やらせメール問題は「しんぶん赤旗」が7月2日付の1面トップで「九電が“やらせ”メール」「玄海原発再稼働求める投稿 関係会社に依頼」と指摘。そのさい九電は「そのようなことを関係会社に依頼するようなことは一切しておりません」と全面否定していました。
 この日の会見で真部社長は、3事業所と関連会社の社員に運転再開を支持するメールを放送時間中に投稿するよう求めたことを認めた上で、「説明会の信頼を損なうことになった。心からおわびしたい」とのべました。
 九電社長の会見は、しんぶん赤旗の取材に対してウソの回答を行い、笠井氏の国会での追及を受けて、しぶしぶ事実を認めたものです。
 真部社長は、世論をゆがめて原発運転再開へ誘導しようとした問題での自身の責任については辞任を否定しました。
 経産省は、九電に厳重注意を行い、原因究明と再発防止策の報告を求めました。
(しんぶん赤旗/2011年7月7日より=一部補筆)

原発再稼働要請の撤回を=笠井議員要求

 「国民の安全より原発再稼働を優先することは許せない」
 日本共産党の笠井亮議員は、各自治体に原発の再稼働を要請している政府の「安全宣言」に根拠がないと追及し、撤回を求めました。菅直人首相は、再稼働の判断について「原子力安全委員会もかかわった形の新たなルールを作り、国民が納得できる判断が出せるよう指示している」と答え、再稼働要請を見直す考えを表明しました。
 笠井氏は、福島原発事故で政府が国際原子力機関(IAEA)に提出した報告書であげている28項目の「教訓」をパネル(PDF/bt_20110707105758.pdfで示し、これに基づく対策さえ終了していないのに、玄海原発(佐賀県)については「安心」と再稼働を要請していることを批判。「福島の事故で反省したはずの『安全神話』そのものではないか」とただしました。
 その上で、どんな津波や地震対策を取ったのかと追及。津波対策の防護壁も設置まで3年かかると指摘すると、海江田万里経済産業相は「工事には時間がかかる」と認めざるをえませんでした。
 笠井氏は、「これまでとった対策はすべて小手先だけだ」と批判。「『教訓』に照らして『再稼働は待て』とチェックすべき国が、電力会社になり代わって再稼働を要請することなど許されない」と強調しました。
首相「新ルール作り判断」
 菅首相は、再稼働の判断については「国民的に納得が得られるルールを、法改正を待たず準備してくれと、ストレステストを含め将来的には共通のルールでチェックできる形を検討してくれと指示を出している」と答弁。笠井氏が「(新たな)ルールをつくるなら、再稼働要請はやめるべきだ」と追及すると、首相は「新しいルールの中でやっていく必要がある」と述べました。
(しんぶん赤旗/2011年7月7日より)
◆論戦ハイライト(PDF/bt_20110707105836.pdf
◆審議録(bt_20110920114455.pdf

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