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【07.08.20】朝鮮王室儀軌の返還問題で訪韓

韓国国会議員団と懇談、関連施設を視察

 
【ソウル=面川誠】韓国の「朝鮮王室儀軌還収委員会」の招きで訪韓中の日本共産党の緒方靖夫副委員長と笠井亮衆院議員は二十日、韓国国会で統一外交通商委員会の金元雄委員長と会談しました。金委員長は同還収委員会の共同代表です。
 会談は、今年五月に緒方氏が参院外交防衛委員会で、植民地時代に日本が韓国から搬出した朝鮮王室儀軌の返還問題を取り上げ、その後も韓国側と懇談してきたことに応えたものです。朝鮮王室儀軌は王室の儀礼を絵や文で記録したもので、その一部を現在は宮内庁が保管しています。
 金委員長は、緒方氏が国会で返還問題を取り上げたことや、その後の協力に敬意と感謝を述べるとともに、一九六五年の韓日基本条約や韓日関係の本来のあり方について指摘。ユネスコ世界記録遺産にも登録された儀軌の返還をあらためて求めました。
 同席した孫鳳淑議員は、昨年十二月に韓国国会が採択した儀軌返還要求決議の起草者、李華泳議員は韓日議員連盟幹事です。両議員は儀軌返還の意義とそれが両国友好に果たす重要性について述べました。
 緒方氏は、訪韓前に宮内庁で儀軌の現物を閲覧したこと、その内容がこの日午前訪れた景福宮で日本によって惨殺された閔妃(びんひ)の葬儀に関するものであったことから、儀軌返還の歴史的意味を痛感したことを紹介。戦後六十二年をへても解決できない歴史問題や、米国での「慰安婦」問題決議などにふれ、戦争と平和についての日本共産党の歴史や立場についても述べました。
 笠井氏は、最近行われた参議院選挙後の歴史認識問題での日本の変化を説明。日本が儀軌を奪った一九二二年に日本共産党が創立されたことを紹介しました。
緒方、笠井の両氏は同日、朝鮮王室儀軌還収委員会が主催した夕食会に出席しました。これには、年末の大統領選挙をめぐる多忙な日程をぬって金元雄議員(同委共同代表)も出席。また、僧侶の慧門氏(同委幹事)ら、同委の主だったメンバーが出席しました。
 金議員と緒方、笠井両氏は、ベトナム戦争での韓国参戦への謝罪問題や、南北朝鮮関係の展望など、幅広い問題で親しく懇談しました。
◆8月20日=ソウルで返還文化遺産を視察
【ソウル=面川誠】訪韓中の日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際局長と笠井亮衆院議員は二十日午前、ソウル市にある国立古宮博物館や景福宮を訪れ、これまで日本から返還された韓国の文化遺産を視察しました。
 博物館では、韓国文化財庁の特別な計らいで、二年に一度、一週間しか閲覧できない朝鮮民族の伝統的な服飾である故李方子氏の大礼衣装や、韓国を通じて北朝鮮側に返還された北関大捷碑の複製を見学しました。
 同博物館のソ・ジェギュ館長との懇談では、ソ館長が一行に、国会での朝鮮王室儀軌問題の提起に感謝の意を述べるとともに、「文化財の歴史を通じて日韓の友好関係をいっそう発展させたい」との考えを語りました。
 李朝の王宮・景福宮を訪れた一行は、一八九五年、駐韓日本公使の指示により日本の暴徒に暗殺された閔妃(正式称号は明成皇后)の居所や、「明成皇后殉国崇墓碑」を見学しました。
 この居所は現在再建中で、十一月に公開される予定。これに先立って案内されたものです。韓国側が返還を求めている朝鮮王室儀軌には、暗殺された閔妃の国葬の様子を記した「明成皇后国葬都監儀軌」が含まれています。
◆8月21日=朝鮮王室儀軌の資料を保管していた月精寺を訪問・交流
【平昌郡(韓国江原道)=面川誠】訪韓中の日本共産党の緒方靖夫副委員長・国際局長と笠井亮衆院議員は二十一日、閔妃(びんひ)の国葬を記録した「朝鮮王室儀軌」を二十世紀初頭まで保管していた五台山史庫がある月精寺の正念住職の招待で、同寺と五台山史庫を訪問しました。緒方、笠井の両氏は住職主催の昼食会に招かれ、懇談しました。
 月精寺は、ソウルから車で東に約三時間、北朝鮮と軍事境界線で二分される江原道・平昌郡の五台山国立公園のなかにあります。同寺は、豊臣秀吉の朝鮮侵略(文禄・慶長の役、一五九二―九八年)で住職らが侵略に抗するたたかいの先頭に立った功績で、朝鮮王室から広大な土地を与えられた歴史を持ちます。
 現地では、「朝鮮王室儀軌還収委員会」の共同代表を務める正念住職をはじめ、江原道の環境観光文化局長や平昌郡首(自治体長)、地方議員ら多数が一行を出迎えました。
 正念住職は、五台山史庫が朝鮮王室の重要文献を保管するため、いまから四百年前に建てられたもので、日本による植民地支配下の一九二二年に朝鮮総督府によって解体されるまで王室儀軌を所蔵していたと経緯を説明。儀軌の返還が「韓日両国の友好関係を強める契機になることを期待している」と述べました。
 これに対し、緒方、笠井の両氏は「今回、儀軌の『故郷』を訪れて、返還の意味をいっそう深く理解できた。月精寺に保存されている重要な国宝を見ながら、民族の歴史と文化財保存の重要性を痛感する訪問だった」と述べると、参加者の大きな拍手に包まれました。
 次いで一行は、月精寺境内にある国宝の八角九層石塔や聖宝博物館などを見学しました。

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