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【第193通常国会/閉会中審査】北朝鮮危機/米国に直接対話促せ(17/09/05外務委)

 

衆参・閉会中審査で要求/外相、軍事衝突の危険否定できず

北朝鮮が6回目の核実験を実施したことをうけ5日、衆院外務委員会と参院外交防衛委員会で閉会中審査が行われました。日本共産党の笠井亮衆院議員と井上哲士参院議員はそれぞれ、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、偶発的事態や誤算による軍事衝突が起こる危険が強まっているとして、これを避けるために、「今こそ対話に踏み切るべきだ」と政府に求めました。

笠井議員
笠井氏は冒頭、北朝鮮が累次の国連安保理決議等に違反し、「国際社会が追求する『対話による解決』、核兵器禁止条約の採択など『核兵器のない世界』を求める大勢に逆らっている」と抗議しました。
笠井氏が、米朝間で軍事衝突が起こりかねない現実的な危険についての認識をただしたのに対し、河野太郎外相は、これを否定できず、「一方的に緊張を高めているのは北朝鮮だ」などと述べ、米国の核抑止力と、マティス米国防長官が、「数多くの軍事的選択肢がある」と述べたことを歓迎する姿勢を示しました。
笠井氏は、こうした日本政府の態度を厳しく批判。8月29日の国連安保理議長声明が、朝鮮半島内外の緊張の緩和と、「対話を通じた平和的で包括的な解決」を提起したことを指摘し、「米朝間の軍事的緊張がエスカレートすれば、当事国の意図にも反して軍事衝突が偶発する危険がある。『対話否定論』を改め、米国政府に対話に踏み切るよう説得すべきだ」「軍事衝突が引き起こされれば、日本に深刻な被害が及ぶ。絶対に避けなければならない。危機打開のために直接対話のルートを開くことだ」と強調しました。

井上議員
米朝間の緊張の高まりの責任を北朝鮮のみに押し付け、対話での解決を繰り返し否定する河野外相に対し、井上氏は参院外防委で、米朝の直接対話を促すことで、偶発的事態や誤解による米朝間の軍事衝突を避けるよう求めました。
井上氏は、4日から開かれている国連安保理の緊急会合に関して、「ジェフリー・フェルトマン国連事務次長は、緊張が高まるにつれ、まさに誤解、判断違い、エスカレーションのリスクが高まっていると述べた」とする報道発表があると紹介。圧力一辺倒では当事者たちの意図に反して軍事衝突が発生する危険があるとして政府の認識をただしました。
河野外相が「北朝鮮が暴挙に出なければ、軍事衝突にはならない」と述べたのに対し、井上氏は、「現実をしっかり見るべきだ」とのべ、危機を打開するための対話は「北朝鮮に対する譲歩や、核兵器を容認するものではない」と強調し「対話拒否」の態度を改めるよう追及。米朝両国が互いに意思を確かめることなく軍事的恫喝の応酬をする事態を避けるため、「米国政府に対し対話に踏み切るよう説得すべきだ」と迫りました。
【「しんぶん赤旗」2017年9月6日付】

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