投稿

【第193通常国会/閉会中審査】陸自「日報」隠ぺい、国会閉会中審査/疑惑何ら消えず(17/08/10安保委)

 

 南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派兵された陸上自衛隊の「日報」隠ぺい問題をめぐり、衆院安保委員会、参院外交防衛委員会は10日、閉会中審査を開きました。安倍晋三首相、稲田朋美元防衛相不在の質疑となり、隠ぺい疑惑は何ら解消されませんでした。日本共産党から笠井亮衆院議員、井上哲士参院議員が、日報問題とオスプレイ墜落事故で政府を追及しました。

稲田氏・首相の関与追及/笠井議員
笠井氏は、日報隠ぺいに稲田元防衛相と安倍首相がかかわった疑いを追及。稲田氏は防衛省内で開かれた2月13、15日の会合で日報データの存在について報告を受け、了承した疑いがもたれています。
笠井氏は、特別防衛監察でも「(会合で)日報データの存在について何らかの発言があった可能性は否定できない」としていることをあげ、その根拠をただしました。
小野寺五典防衛相は「(監察への)証言内容を明らかにすることにより、個人の特定につながる」と述べ、答弁を拒否。笠井氏は「監察を隠れみのにして国民への説明を拒否することは許されない」と批判し、「(日報の)説明を受けたことはある」(7月24日、衆院予算委)と答弁している安倍首相の関与を追及しました。
笠井氏は、岡部俊哉前陸幕長が陸自での日報データの保管を把握した翌日の1月18日に、防衛省の黒江哲郎前事務次官と豊田硬前官房長の2人が安倍首相と面会していることを告発。小野寺氏は「調べて答弁する」としか答えられませんでした。
特別防衛監察では、安倍首相に面会した後の1月下旬、黒江前事務次官が「陸自に存在する日報は、公表に耐えられる代物であるか不明と判断した」と記述。笠井氏は「安倍首相の指示・了解のもと日報隠ぺいを主導したのではないかという大問題だ」として、関係者の証人喚問を求めました。

オスプレイ飛行容認の政府批判/井上議員
井上氏は、沖縄県の米軍普天間基地に所属するオスプレイが5日に豪州で墜落した後も、安倍政権が表向き飛行「自粛」を求めつつ、飛行を事実上容認していることを批判しました。
米軍は、小野寺五典防衛相が自粛を要請した翌日の7日に飛行を再開しました。
井上氏は、菅義偉官房長官が8日の会見で「運用上、必要なものを除いて飛行自粛を要請した」とし、防衛省も同様の説明をしていることを指摘しました。小野寺氏は、自粛要請の際に「運用上、必要」という条件は付けていないとし、防衛省の立場も同様だと語りました。
しかし、井上氏が、米軍が8日に日米協定にも反する午後10時以降の飛行訓練を実施したことについて厳しく抗議するよう求めると、小野寺氏は「米側が運用上、必要との判断により行ったと認識している」と答弁。現在、北海道で行われている日米合同演習へのオスプレイ参加についても「米側と調整していきたい」と述べ、参加の可能性を否定しませんでした。
井上氏は「結局、米軍から運用上、必要だと言われれば認めるということだ」と批判。訓練への参加中止、オスプレイの配備撤回を求めました。
【「しんぶん赤旗」2017年8月11日付】

PAGE TOP