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【第193通常国会】◎論戦ハイライト◎PKO日報/新任務付与ありき―政府ぐるみの隠ぺい工作(17/02/14予算委)

 

データベースで「容易に検索」/志位質問に虚偽答弁

14日の衆院予算委員会で、南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣されている陸上自衛隊の「日報」問題を取り上げた日本共産党の笠井亮政策委員長。笠井氏は、「日報」が自衛隊内の閲覧可能なデータベースに保存されていたのではないかとして、自衛隊への新任務付与を進める安倍政権が組織ぐるみで「日報」の隠ぺい工作をしていた実態を告発しました。
防衛省は昨年12月26日に「日報」の電子データを発見したと説明しています。ところが、安倍晋三首相は1月24日の衆院本会議で、日本共産党の志位和夫委員長に「日報」があるともないとも言わずに答弁していました。

日報は廃棄と説明
笠井氏は、安倍首相の答弁姿勢を厳しく追及。さらに、志位委員長の代表質問の翌25日には、日本共産党の山下芳生副委員長に対して、防衛省が「日報」は「廃棄されている」と説明していたことをあげ、次のようにただしました。
笠井 防衛省は国会議員にも事実と違う虚偽説明を押し通そうとしたのではないか。隠ぺいしようとしてきたことは明らかだ。
稲田朋美防衛相 隠ぺいする意図も、隠ぺいする必要もない。
笠井 明らかに事実と違う虚偽の説明だ。隠ぺい以外、何ものでもない。
笠井氏は、陸自研究本部が作成した「南スーダン派遣部隊に係る教訓要報」に、「陸自指揮システム等で閲覧可能」な「教訓センターデータベース(CGLLDB)」と呼ばれる機能があり、「過去の派遣や訓練などの教訓が蓄積され」「容易に検索できる」とあることを指摘し、防衛相をただしました。
笠井 電子データは「教訓センターデータベース」にあったのではないか。
防衛相 統幕(統合幕僚監部)のなかにあった。
笠井 データベースの中にあったのか。
笠井氏は、「日報」の電子データの保管場所について追及。防衛省の通達(2010年3月2日付)では、「部隊等からの聞き取りから得られた成果」は、「不測事態で失われることがないよう複数の媒体の使用に努める」としています。
笠井氏の追及に、稲田防衛相は、何度も答弁不能となり、「確認して答える」と逃げました。笠井氏は「(防衛相の)管理能力が根本から問われる」と厳しく批判しました。

「武力紛争」隠ぺい
さらに、防衛省が公表を始めた「日報」も、黒塗りだらけです。笠井氏は、「IO(反政府勢力)関連施設」をすべて黒塗りにしていることを指摘。反政府勢力が「支配領域」などを有していないことを理由にPKО法上の「武力紛争」を否定している安倍政権を、次のようにただしました。
笠井 反政府勢力の「関連施設」、すなわち「支配が確立されるに至った領域」があり、「武力紛争」が発生しているのに、それを隠すために黒塗りにしているのではないか。
防衛相 基準にのっとって黒塗りにした。
笠井 7月に(南スーダンの首都)ジュバで何が起こったか、国民に知らせない合理的な理由は一つもない。
笠井氏は「日報」の黒塗りをすべて開示するよう要求。安倍政権がPKО派遣部隊に「駆け付け警護」の新任務を付与するために、「南スーダンの危険な現実を国会と国民に隠ぺいした」と厳しく糾弾しました。
【「しんぶん赤旗」2017年2月15日付】

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