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【第193通常国会】過労死なくすルールを/労働時間把握など求める(17/02/02予算委)

 

 日本共産党の笠井亮政策委員長は2日の衆院予算委員会で「1%の大金持ち、大企業のためではなく、99%の国民のための政治が求められている」と述べ、「働き方改革というのなら、長時間労働・過労死をなくすための人間らしい雇用のルールをつくるべきだ」と迫りました。
笠井氏は、1998年に52件だった過労死・過労自殺の労災認定(未遂含む)が2015年には189件に、精神障害の労災請求は42件から1515件に激増し、若い世代にも広がっていると指摘。父親を過労自殺で亡くした小学1年生が17年前に書いた詩で「タイムマシーンにのってお父さんが死んでしまうまえの日にいく そして『仕事にいったらあかん』ていうんや」と述べていたことを紹介し、「この20年間、事態を悪化させてきたという認識はあるか」と安倍首相にただしました。
安倍氏は「労災認定されていなかったものが認定基準が変わり、労災と認定されるようになったこともあり、数が増えている」と述べ、労災が増加していることの認識さえ示しませんでした。
笠井氏は、電通の若い女性社員が過労自殺で労災認定された後、大企業の現場では「(長時間労働が)ばれたら困ると“ヤミ残業″が横行して、働く人の自己責任を迫る事態が生まれている」と強調。仕事量は変わらないまま「電気を消せ」「早く帰れ」と言われて仕事を持ち帰る「パソコン残業」などの実態を示し、「こんな働き方改革ではダメだとはっきり言うべきではないか」とただしました。
塩崎恭久厚労相は「過労死につながる働き方を強制されるという事態、実働の時間と表向きの労働時間とのギャップが大きいケースが多々ある」と認め、昨年末に出したガイドラインで改めて実労働時間の適正な把握を義務付けたと答弁。笠井氏は「労働者一人ひとりの実際の労働時間をきちんと把握することなしにこの問題は解決しない」と強調しました。
笠井氏は、安倍首相が「残業時間の上限設定が必要」と繰り返していることに触れ、厚生労省が時間外労働の基準とする大臣告示の「週15時間、月45時間、年360時間」を法定化すべきだと求めました。安倍氏は、大臣告示が基本だとした2年前の答弁は変わらないかとの問いに、「基本は基本。しかし、三六協定を結べば突破できるので、罰則付きの法定化できめていきたい」と答えました。
笠井氏は「基本だと言うのなら法定化することが当たり前だ。それを過労死ラインの80~100時間をクリアすればいいというのは労働者を守る法律ではない」と強調。共産、民進、自由、社民の野党4党が提出している長時間労働規制法案(労働基準法改定案)のすみやかな審議を要求し、「実効ある上限を法律で決めることは国会の責務だ」として、「働き方改革」の集中審議を求めました。
【「しんぶん赤旗」2017年2月3日付】

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