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【13.03.08】TPP「聖域」守れない=交渉参加に不当な条件

衆院予算委(基本的質疑)笠井亮議員追及

 
 日本共産党の笠井亮議員は8日の衆院予算委員会で基本的質疑に立ち、賃上げ問題と環太平洋連携協定(TPP)問題で安倍晋三内閣の姿勢をただしました。
 TPP問題で笠井氏はカナダとメキシコが昨年6月に交渉に加わる際、(1)先行して交渉してきた9カ国が合意した条文はすべて受け入れる(2)将来、ある交渉分野について9カ国が合意した場合、その合意に従う(3)交渉を打ち切る権利は9カ国にあり、遅れて交渉入りした国には認められない―ことが条件とされていると指摘。いくら「聖域を守る」といっても守れなくなると追及しました。
 安倍首相はそうした参加条件については「判然としない」「ぼやっとしている」と答弁しました。
 笠井氏は「判然としない状況で参加したら大変な状況になる。参加できないはずだ」と指摘。安倍首相は「いま検討しているのは交渉参加の判断であってTPPの締結ではない」と言い訳しました。
 笠井氏は、政府が昨年3月に公表した文書で「新規交渉参加国に求める共通の条件」として(1)包括的で質の高い協定への約束(2)合意済みの部分をそのまま受け入れ、議論を蒸し返さないこと(3)交渉の進展を遅らせないこと―が明記されているとして「すでに昨年3月の段階で把握していたはずだ」と強調。岸田文雄外相は「引き続き情報収集に努めている」と繰り返すだけでした。
 笠井氏は、安倍首相が野党時代、「情報公開はほとんどない」などと当時の民主党政権を批判していたことに言及。「その批判は安倍総理にそのまま返ってくる。国民や国会には都合の悪い情報を出さず、国のあり方の根本、国益にかかわる重大問題で拙速に結論を出そうとする。こんな姿勢は許されない」と批判しました。

◆審議録(.pdf

「非正規含め賃上げ呼びかけ」 笠井氏追及に 安倍首相が言明

 安倍晋三首相は8日の衆院予算委員会で「正規・非正規関係なく賃金が上昇し、消費が増加すれば経済は良い循環に入っていく。呼びかけは行っていきたい」と表明しました。日本共産党の笠井亮議員に答えたものです。
 笠井氏は、大企業で国内従業員に月1万円の賃上げをするために必要な内部留保をパネルで提示。トヨタではわずか0・2%にすぎないことを示して「賃上げによって内需を活発にすることこそ余剰資金を生かせる道だ」とただしました。

◆パネル①(月1万の賃上げ可能な企業例/.pdf
◆パネル②(勤労者の給与と内部留保/.pdf

 麻生太郎財務相・副総理は「共産党と自民党が一緒になって賃上げを求めるのは歴史はじまって以来ではないか。内部留保が賃金に回ればGDPを押し上げる。日本経済が活気づくためにも重要な要素だ」と応じました。
 笠井氏は賃金下落の背景に非正規雇用労働者の増大があるとして、「労働者を不安定な雇用に置き換えて賃下げしながら大企業はもうけをためこんできた」と指摘。安倍首相は「正規に変わりたい人たちに対して門戸が開かれていなければいけない」と答えました。
(しんぶん赤旗/2013年3月9日より)

◆論戦ハイライト(.pdf

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