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【12.06.15】オスプレイの配備方針は白紙に戻すべきだ

笠井、赤嶺議員が政府に迫る

 
「これだけ墜落事故を繰り返しているオスプレイの配備方針は白紙に戻すべきだ」―。米フロリダ州で米空軍の垂直離着陸機オスプレイ(CV22)が起こした墜落事故を受け、日本共産党の笠井亮、赤嶺政賢両衆院議員は15日、国会で質問に立ち、沖縄の米海兵隊普天間基地へのオスプレイ(MV22)配備計画を撤回するよう日本政府に迫りました。
◆衆院安全保障委員会
 赤嶺氏は衆院安全保障委員会で、政府がこれまでオスプレイの安全性について「量産開始以降は問題ない」と説明してきたにもかかわらず、4月にモロッコ、今月13日にフロリダと、2カ月間に2度も墜落事故を引き起こし、重大事態だと強調。少なくとも2回の墜落事故の報告書が公表され、原因が特定されるまでは配備手続きは中断するのが当然だと求めました。
 森本敏防衛相は「事故の内容について米側から情報提供を受け、対応策はその後に考えたい」と述べるにとどまりました。
◆審議録(PDF/bt_20120731140121.pdf

◆衆院外務委員会
笠井氏は衆院外務委員会で、米ニューメキシコ州キャノン空軍基地で計画されていたオスプレイの低空飛行訓練が住民の要求によって棚上げされ、再検討される事態になっていると指摘。「米本土では国民の要求で訓練計画を棚上げしているのに、日本では事故原因が解明されないまま配備が強行されようとしている」と批判しました。
 玄葉光一郎外相は「現段階では(事故の)配備への影響は言えない」と答弁。笠井氏は「沖縄県民、国民の立場にたって政府として配備撤回を求めよ」と強調しました。
◆審議録(PDF/bt_20120731140240.pdf
(しんぶん赤旗/2012年6月16日より)

◆資料(PDF/bt_20120731140314.pdf)オスプレイ配備及ぶ運用に関する環境レビュー:エグゼクティブ・サマリー)

◆審議録(.pdf

オスプレイ=これでも安全か

オスプレイ配備の問題点鮮明 
日米両政府が沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に配備を狙う垂直離着陸機MV22オスプレイ。日本共産党の笠井亮、赤嶺政賢両衆院議員が15日に国会で行った追及は、同機が持つ危険性、普天間配備の問題点をいっそう明らかにしました。

沖縄全域で訓練
防衛省は13日、オスプレイの普天間配備にかかわる米軍の「環境審査(レビュー)」を公表しました。
 赤嶺氏が衆院安全保障委員会で指摘したように、環境レビューは、普天間基地を飛び立ったオスプレイが伊江島補助飛行場、北部訓練場、中部訓練場など沖縄本島全域で訓練を行うことを明記しています。
 さらにオスプレイが訓練で使用する「戦術着陸帯」は50カ所にのぼります。
 赤嶺氏は、狭い沖縄にこれだけの着陸帯があるのは異常であり、撤去すべきだと主張。それとは逆に日本政府が東村(ひがしそん)高江地区を取り囲むようにして新たに6カ所の着陸帯を建設しようとしていることを批判し、取りやめるよう求めました。

高くなる事故率
日本政府はこれまで、海兵隊のMV22オスプレイの事故率について、現在使われているCH46ヘリコプターよりも低いとし、その「安全性」を宣伝してきました。
 しかし、赤嶺氏が指摘したように、米軍提出資料によれば、今年4月にモロッコで起きたMV22の墜落事故を含めると、10万飛行時間あたりの事故率は1・93となり、CH46の1・11を上回りました。
 加えて、空軍のCV22オスプレイは2010年に続き、今月13日にも墜落事故(米国フロリダ州)を起こしています。これらを含めれば事故率はさらに高まることになります。しかし、政府は「海兵隊用(MV22型)と空軍用(CV22型)のオスプレイは別」とし、両者を合わせた事故率は示してきませんでした。
 赤嶺氏は、米軍の環境レビューでは、CH46ヘリの場合は、「CH型」だけではなく、「H46」という形で、その他のモデルを合わせた事故率も示していることを指摘。オスプレイも、海兵隊・空軍を合わせた「V22」の事故率を示すべきだと迫りました。
 森本敏防衛相は「(MV22とCV22の)基本設計は同じだ。どういう方法で説明すればよいのか速やかに検討したい」と答弁しました。

「どこにでも墜落」 
オスプレイには「オートローテーション(自動回転)」機能が欠如しているという構造的欠陥も指摘されています。
 自動回転機能とは、ヘリなどの回転翼航空機のエンジンが停止した場合、機体の落下で生まれる空気の流れで回転翼を回し、揚力をつくりだして緊急着陸する能力です。
 笠井氏は衆院外務委員会で、米国防長官が設置した「V22プログラム審査専門委員会」の報告書を紹介。同報告書は、「V22は他のどのヘリよりも自動回転能力が劣っている」とし、「エンジン停止時の運航方法を見直すべきだ」と提起しています。
 笠井氏はさらに、オスプレイの技術データの元主任分析官レックス・リボロ氏が「オートローテーション機能の欠如による事故はいつか起こり得る」「(エンジンが停止すれば)MV22は操縦不能になり、どこにでも墜落する」と指摘していることを紹介しました。
 笠井氏は、米軍ヘリの普天間基地上空の飛行高度は1000フィート(約300メートル)未満に設定されていると指摘。ヘリモードのオスプレイのエンジンが万一停止すれば、固定翼機モードに移って滑空することもできず、墜落する危険は避けられないと述べ、「2004年の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故の二の舞になりかねない」と強調しました。

夜間飛行も増加
 米軍の環境レビューによると、普天間基地での夜10時~翌朝7時までの飛行回数が現在のCH46では年76回となっています。ところが、MV22オスプレイが配備されれば、280回と3・7倍も増加します。
 赤嶺氏は、この時間帯はそもそも同基地の騒音防止協定(1996年)で飛行を最小限に制限することが合意されたはずだと指摘。「これまでも米軍の『運用上の所要』を理由に守られてこなかったが、これでは『騒音防止協定など最初から守る気などない』ということではないか」と批判しました。
 防衛省の山内正和地方協力局長は「増加の理由について米側に確認を行っている。できる限り夜間飛行を行わないよう米側に強く働きかけたい」と答弁。赤嶺氏は「米軍はいままでの協定さえ守っていないのに、もっと増大させるという。政府は『絶対に受け入れられない』と言うべきだ」と強調しました。

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