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【11.12.02】原発事故の原因究明これから=多国への原発輸出許されない

原子力協定の審議で笠井議員追及

 日本共産党の笠井亮議員は2日の衆院外務委員会で、ヨルダン、ロシア、韓国、ベトナムとの四つの原子力協定承認は許されないと追及しました。
 笠井氏は、野田佳彦首相が、9月の国連演説で、福島原発事故の「教訓、反省、知見を国際社会と共有する」と表明していることを指摘。11月の衆院予算委員会海外視察の際、フランス原子力安全規制当局(ASN)委員が、日本による原発事故の情報提供について「十分でない」と述べていた事実を示し、「事故の深刻な現実や原発技術が未完成で危険なことを相手国に説明し了解を得たのか」と質問しました。
 野田首相は、「国際原子力機関(IAEA)には伝えている」などと釈明しました。
 笠井氏は、政府の事故調査委員会の報告書も出ておらず、国会の調査委員会はこれからだと指摘し、「『世界最高水準の安全性を有するものを提供する』(野田首相)となぜいえるのか」と追及。野田首相は、「原因究明はこれからで検証も終わっていない」と認めました。
 笠井氏は、「原発技術が未完成で危険なことを率直に伝えることこそ外交関係の信頼を得る道だ」「政府がやるべきことは事故被害者対策に万全を期し、原発からの撤退を行うことだ」と強調しました。
 笠井氏は、外務省の説明資料が、「積極的な原子力ビジネス展開が可能になる」と強調し、原子力産業協会の国際部長が8月、「国内での新規建設は困難であり海外市場に積極的に進出する必要がある」と講演していることを紹介。4協定は結局、危険な原発輸出でもうけをねらう財界・大企業の要求にこたえたものだと主張しました。
 玄葉光一郎外相は、「ビジネス展開というものもある。商談は民間が行うものであり協定が必要条件になる」と認めました。(しんぶん赤旗/2011年12月3日より)
◆審議録(PDF/bt_20111227151149.pdf

自民・民主で可決 笠井議員が反対討論

衆院外務委員会で2日、ヨルダン、ロシア、韓国、ベトナム4カ国との原子力協定が民主、自民の賛成で可決され、共産、公明、社民各党は反対しました。4協定はその後の本会議で採決にかけられる予定でしたが、賛成した自民党も採決にかけないよう求めたため、本会議での採決は見送られ、6日に先送りする異例の事態になりました。
 反対討論で日本共産党の笠井亮議員は、4協定は日本企業が積極的に原子力ビジネスを展開するための法的枠組みを整備するものだと指摘。原発はひとたび重大事故が発生すれば抑える手段すら存在せず、被害がどこまでも拡大するなど、他の事故には見られない異質の危険を抱えているとのべ、未完成で危険な原発技術などを輸出することは許されないと主張しました。福島原発事故の収束の見通しさえ立たず、世論調査でも65%が原発輸出に反対していることを指摘。国会の事故調査委員会委員が同日選ばれ調査はこれからだというのに、わずか3時間の質疑で採決することは到底許されないと強調しました。
(しんぶん赤旗/2011年12月3日より)

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