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【08.02.29】2008年度予算=笠井議員が反対討論

自公が予算案 衆院強行=社会保障を抑制 特定財源は温存

 
日本共産党は徹底審議求める
 自民、公明の与党は、二十九日深夜の衆院本会議で、二〇〇八年度予算案とガソリン税の暫定税率十年延長を盛り込んだ租税特措法改定案を含む歳入・税制関連法案の採決を強行し、可決しました。日本共産党は笠井亮議員が反対討論をおこないました。民主党、社民党、国民新党は、本会議を欠席しました。
反対討論で笠井氏は、徹底審議を確認した衆参両院議長のあっせん(一月)の精神を踏みにじって予算案や歳入関連法案を与党が一方的に採決したと指摘。道路特定財源問題では、「『道路中期計画』をはじめとする政府の際限のない道路づくりの矛盾と破たんは明白だ」と強調しました。
 予算案について、社会保障費の自然増分を毎年二千二百億円抑制する路線の継続や後期高齢者医療制度の導入などを厳しく批判。イージス艦衝突事故では「防衛省・自衛隊の軍事優先・隠ぺい体質が浮かび上がった」として、真相解明に背を向けたまま、約五兆円の軍事費を押し通そうとしていると告発しました。
 本会議に先立つ予算委員会では、委員長職権で予算案の締めくくり総括質疑と採決を強行。日本共産党、民主党、社民党、国民新党の野党四党は、審議が尽くされていないと抗議、理事会協議を求めましたが、委員長は「決まったことだ」と受け付けなかったため、野党四党は退席しました。(2008年3月1日/しんぶん赤旗より)

笠井亮議員の反対討論(要旨)

 
自民・公明両党が、予算案をはじめ国税・地方税の歳入関連法案について、与野党の合意もなく、十分な審議をつくすこともなく、各委員会での採決を強行したことに断固抗議します。
 一連の強行採決は、「両院議長あっせん」を踏みにじる暴挙であり、断じて許すわけにはいきません。
 焦点となった道路問題では、五十九兆円の「道路中期計画」の内訳の資料が二月二十五日にようやく提出されました。いよいよ、これから本格審議に入ろうという段階です。にもかかわらず、「審議時間は十分だ」などといって、一方的に採決につきすすむのは、「両院議長あっせん」の精神を真っ向から踏みにじるものです。
 道路特定財源問題では、「道路中期計画」をはじめとする政府の際限のない道路づくりの矛盾と破たんは明白です。
 審議を通じて、「道路中期計画」の中心は高速道路の建設であり、バブル期に策定された一万四千キロの「高規格幹線道路」建設を推進するものであること、そのうえ、約七千キロもの「地域高規格道路」、さらに東京湾口道路など六本もの巨大橋道路を含む百十もの「候補路線」まであることが明らかとなりました。
 私の質問に冬柴大臣は「庶民の目線で再検討する」と答弁しましたが、その検討結果も明らかにしないまま、道路特定財源をつづけることは断じて容認できません。ガソリン税は一般財源化し、道路にも、福祉や医療にも使えるようにすることこそ、きびしい財政のもと国民の要求にこたえる道です。
 福田内閣のはじめての予算は、「生活者や消費者が主役となる社会」へむけたスタートの年といいながら、貧困と格差をいっそう拡大するものです。
 小泉・安倍内閣ですすめられた「構造改革路線」によって、国民は痛めつけられ、非正規雇用が三人に一人、年収二百万円以下の労働者が一千万人を超えるなど、貧困と格差のひろがりは深刻です。政府に求められるのは、こうした実態を生み出した「構造改革路線」を転換し、国民に軸足を移した予算を編成することです。
 ところが、本予算案は、社会保障費の自然増二千二百億円を抑制する路線を継続し、年金、医療、介護、障害者施策、生活保護などを切り捨てるものとなっています。
 福田総理も、社会保障の抑制に「限界がある」と答弁するなど、政府自身が予算の根幹にかかわる問題を表明しているのです。にもかかわらず、本予算案を押し通そうとすることにはなんの道理もありません。
 最後に、予算審議中に二つの重大な事件が起きました。
 沖縄での米海兵隊による少女暴行事件に対して、米側に抗議すらできない福田総理の対米従属の姿勢は、きわめて重大です。また海上自衛隊イージス艦の漁船衝突事件では、防衛省・自衛隊の軍事優先・隠ぺい体質がうかびあがりました。
 政府は、事件の真相解明に背を向けたまま、五百二十二億円もの「米軍再編関係経費」や、千七百十四億円もの「ミサイル防衛」関連経費を含む約五兆円の軍事費を押し通そうとしています。アメリカいいなりですすめられている米軍再編と、自衛隊の海外派兵型体制づくりの予算は大幅に削減し、社会保障、雇用、農業などに振り向けるべきです。
 大企業から国民・家計に軸足を移し、日本経済を立て直す予算への抜本的組み替えこそ求められていることをつよく主張し、反対討論をおわります。
(2008年3月2日/しんぶん赤旗より)

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